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コラム

保安林指定施業要件の変更

2016/07/02コラム

和歌山の山中に、小規模ながら何カ所かの山林を父親が所有していました。たいてい保安林に指定されています。そもそも山に投資してもまったくリターンのない時代になって既に長い年月が経ちますが、一方で何かと管理に手間がかかるというお荷物です。せめて鑑定士として芸の肥やしにしようと、林業団体には参加し、林地、立木の評価の勉強に努めてはいますが、随分やっかいな教材には違いありません。
こういう通知が来ると、どうでもいい、どうせ金にならん、と思いつつも、きちんとやればその過程で知識が得られるだろうと期待して整理します。
今回の通知は、ある範囲の「水源かん養保安林」について、施業のやり方の指定基準を緩和することを知らせてきたものです。緩和の予定とわざわざ書いていますから、今までの制限が厳しすぎたと当局も認めていることになります。趣旨としては、地域の実情に合わせるため、近年一般化した高性能林業機械による間伐施業や、地域に適した広葉樹の植栽の促進、効率的な保安林の維持管理を挙げています。
私の解釈では、スギ・ヒノキ等用材生産のための森林を維持することから、低コストで広葉樹林化も認め、木材生産を強制しなくなった、採算が取れない所まで無理に針葉樹を植えさせないよう方針が変わってきたのだ、ということです。個人的にはまだまだと思いますが、少しずつということでしょうか。
少し難しくなりますが、択伐率を立木材積の30%までから40%(人工林)まで、間伐率は同20%までから35%まで。植栽樹種はスギ(3000本/ha以上)、ヒノキ(3000本/ha以上)から、スギ1600本/ha以上、ヒノキ1700本、マツ1900本、コウヤマキ1900本、高木性広葉樹3000本/ha以上だそうです。保安林内で人工林を皆伐すると、伐採した次の年度の初日から数えて2年以内に植林が義務づけられています。
どうせ一般の人にはわからないでしょうと、「私たちの暮らしを守る保安林」と題して、1枚の説明書きが添えてあります。こういうのを、丹念に探るのが向上への一歩と思い整理します。
保安林の種類は17種、
1.水源かん養保安林
2.土砂流出防備保安林
3.土砂崩壊防備保安林
4.飛砂防備保安林
5.防風保安林
6.水害防備保安林
7.潮害防備保安林
8.干害防備保安林
9.防雪保安林
10.防霧保安林
11.なだれ防止保安林
12.落石防止保安林
13.防火保安林
14.魚つき保安林
15.航行目標保安林
16.保健保安林
17.風致保安林
と随分、場所ごとに多様な用途で設定されているようですが、自分が目にしたのは、たいてい1番か2番です。

和歌山県の森林の約1/3が保安林で、国有、民有合計36.1万haの森林にうち13.2万ha、37%が保安林。民有林は計34.4万haのうち34%、国有林は1.7万haのうち93%が保安林です。
1km四方で1万haですから、実に広大だとわかりますね。

 

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