中国不動産市場を見る(上海2023.10)
2023/10/16不断斎見聞記
2023年10月、ビザを取って中国・上海を訪問する機会を得ました。
昨今注目を集める中国の不動産ですが、中華最大の経済都市である上海ならば他の都市よりは需要も強かろうと思いながら、多少垣間見てきました。
まず、電気自動車の普及度が高いので、混雑した中でも排気ガスの臭いがしない、空気が良くなっていました。心なしかマナーも向上したようです。10数年前は光化学スモッグで歩き出すと目が痛くなったのを覚えています。騒音も減りました。反って電動スクーター、自転車、リヤカーまでが音を立てずに進んでくるから恐いのが問題です。
とはいえ居酒屋、レストラン関係者と話すと景気は悪い。これが処理水問題の影響なのか、資産価格の停滞、低落傾向の中での消費のダウングレードが広がっているのか、ちょっとミックスされてしまっていますが、おそらく後者のウエイトが高そうです。不動産屋の店頭を見て微妙な状況を感じましたが、どう考えてもそれなりの職にある者にしても普段の収入に比べて住宅(日本でのマンションが主流)の価格が高すぎます。長い目でみればどう考えても落ち着くところに向かうのは当然でしょう。
勉強になったのは、日本のマンションの価格は専有部分の正味部分で取引されますが、こちらは日本でいう共有部分の割付相当面積も込みで価格をつけています。
丁寧にサイズ入りの物件があったので計算してみたら、103.73㎡(バルコニーがガラス全面張でサンルームに近いがそれも含む)のが、日本のやり方なら79.6㎡で、23%ほど違う。普通2割くらいだそうな。エレベーターの有る無しでまた違うらしい。値段のことはやめておきますが、日本のマンションが狭いとは限らないのはわかりました。
建築のデザインで、どこかの模倣を感じることもあれば、発想が違うなぁと感心したのもありました。栓抜きみたいな商業ビルは有名ですが、今回気になったのはマンション、かなりの高級でしょう。遠目ですが、かなりの大木を高層階まで全体に植え付けています。地図だと一天下マンションとか、たぶん豪華なランクです。完成すると山みたいでしょうね。
それぞれの考えや生き方を大切にして違いを認める、ただし他人に自分のそれは強制すべきではない。理想ではあります。
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