香港 海外市場 報告
2023/04/30不断斎見聞記
2023年3月上旬、現地4泊で香港へ行ってきました。事情はともあれコロナ後の活動再開です。不動産市場の観察もこういう機会に組み込むことにしました。様々な分野と状況で関係の濃淡は異なりますが、何かの参考になれればと思います。特に関係機関に入ってデータを得たわけでもなく、街歩きにすぎないかもしれませんが、そこはそれなりにやってきた者の目という部分もあります。ご参考にお願いします。
今回、この目的に使えたのは日曜の午前中しかありませんでした。地震がほぼないならどれだけ日本の建築基準を緩くのだろうか、とか、この程度の基準なら日本の建設費用、ひいてはマンションの建設コストを安く出来るんだろう、とか考えてしまうのでした。
ここは新しく延伸した地下鉄の新線の終点の巨大マンション街です。30~40階建てのマンションが40棟くらい固まって聳えています。地下鉄の駅も近く都心のアドミラルティ(中環)まで11分、しかも香港島を西側から廻り込んで九龍方面へ船が行き交う美しい海峡が望めます。これは高いだろうと不動産屋の店頭をのぞくと、みんな億ションでした。
今までバス便だったのが2016年末にMTR南港島線が延びて急に便利になったということです。これは東段でさらに西段が建設中だそうです。香港島というのはかなり高い山の平地に乏しい島ですが、都市は島の北岸沿いで、水路の向かいに九龍半島と向かい合っています。この島を縦貫するアバディーントンネルで南岸に地域に新都市開発したというわけです。途中に海洋公園という香港観光地の目玉のひとつである大水族館もあります。先に買った人は我慢のかいがあったというわけです。海恰半島(South Horizons)駅には小さなバスターミナルがあって、バス便の地域をつないでいます。険しい山地が迫っていますが、その上の方にもマンションが見えます。
面白いのは、成約価格を掲示していることで個人情報への感覚がやや緩い印象でした。聞けば新聞に誰それさんはいくら儲かりましたとか出ることもあるそうです。何棟の上中下層で何平方フィートの住戸がいくら売れたというところまではのっています。
値下がり局面かに見える掲示もありましたが、急落とかという雰囲気ではなさそうです。いろんな報道がありますが、真実は中空の雲のようなものでしょうか。
いずれにせよ、高すぎる気がします。ローンの仕組みや税制が違うに相違ないと思います。比べても仕方ないですが、日本は日本で年収の何倍くらいまでなら許せるかという観点も入れて、政策を調整していくような流れができればいいのではないかと思います。
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